ハリウッド俳優 ニコラス・ケイジ
世界的な俳優ニコラス・ケイジは、かつて『バードマン』、『コン・エアー』、『フェイス/オフ』など多くの名作映画に主演していました。特に、『ラスベガスをやっつけろ』の見事な演技がアカデミー俳優賞も獲得しました。彼が独特の憂鬱な表情と偏執的な雰囲気を持っています。ゆえに観客が彼から視線をそらすのを難しくしています。
しかし、続けて低予算映画に出演し、駄作映画も連発し、長らく沈黙していました。それにしても、2018年以来また卓越した演技力を見せ、映画界に復帰しました。再びその独特の芸術性を発揮し、観客に神のような演技力を見せてくれます。
俳優として長いキャリアを築いているニコラス・ケイジは、特に奇想天外な映画と縁があります。予想外の設定と面白い展開を揃えて、どれも見る甲斐のある映画です。
ドリーム・シナリオ(原題:Dream Scenario)2023
設定されたテーマ
平凡な生物学教授、ある日何らかの理由で、彼は他人の夢に現れるようになりました。
映画『ドリーム・シナリオ(原題:Dream Scenario)』はニコラス・ケイジ主演。また、『ミッドサマー』(2019)アリ・アスター監督がプロデュースした作品です。
主人公のポール・マシューズは、父であり、夫でもある大学教授です。ある日いきなり有名人となりました。自分とはなんの縁もないはずの人々が、なぜかポールのいた夢を見るようになったのです。たちまちもてはやされるポールだったが、“夢のような”サクセス・ストーリーは、突如として“悪夢”のごとく暗転します。
本作は映画評価サイトRotten Tomatoesでは86%フレッシュの高評価を獲得しました。特にケイジの演技にも数々の絶賛が寄せられています。
アダプテーション(2002)
設定されたテーマ
創作に悩む脚本家を中心に、虚構と現実が交錯していく異色コメディです。
「マルコヴィッチの穴」の監督スパイク・ジョーンズと脚本チャーリー・カウフマンが再タッグを組みます。ニコラス・ケイジがチャーリーと双子の弟ドナルドを1人2役で演じます。また、メリル・ストリープ、クリス・クーパーが共演。第75回アカデミー賞でクーパーが助演男優賞を受賞しました。
脚本家カウフマンを主人公に虚実入り交ぜた奇想天外なストーリーです。脚本家のチャーリー・カウフマンはスーザン・オーリアンの著書「蘭に魅せられた男 驚くべき蘭コレクターの世界」の脚色を依頼されます。だが、執筆に行き詰まってしまいます。そして、冴えない日々を送るチャーリーとは対照的に、陽気な双子の弟ドナルドは新進脚本家としてハリウッドで注目される存在に。焦りを感じたチャーリーは、状況を打開するため原作者スーザンに会いに行きます。
マッシブ・タレント(2022)
設定されたテーマ
ニコラス・ケイジが自分自身を演じ、彼の破産時の悲惨な生活を風変わりなドラマで描きます。
「マッシブ・タレント」は、ニコラス・ケイジ自身の分身とも言えるキャラクター“どん底の俳優”ニック・ケイジを演じたことで、公開前から注目を集める話題作です。
ニコラス・ケイジは、様々な映画に出演し、人気を確立しました。キャリアは栄華を極めます。だが、その後出演作の興行的失敗が続いました。故に、ハリウッドからのオファーも途絶え、多額の負債を抱えてしまいます。悲観する彼に、スペインの大富豪の誕生日パーティーに参加するだけで100万ドルが得られる高額のオファーが舞い込みます。借金返済のため渋々受け入れます。
最初は乗り気ではなかったニックだが、映画の趣味が合うハビと意気投合し、友情を深めていきます。ところが、ある日、CIAのエージェントがニックに接近します。ハビの正体は国際的な犯罪組織の首領です。彼の動向をスパイしてほしいというのです。ハビとの友情をとるか、それとも国家のために働くのか。ケイジの俳優人生を懸けたミッションの幕が上がります。