カーレースは世界で最も人気のあるスポーツの一つです。サッカーワールドカップとオリンピックに次ぐ、最も多くの人が観戦するスポーツでもあります。同時に、膨大な商機を創造しています。
レーサーが車内に座っているとはいえ、身体を動かす必要はありません。だが、G力に対抗するためには平常から厳格な身体管理とトレーニングが必要です。
スポーツ選手の記録や物語を好んで撮影するように、レーサーとカーレースの舞台裏の物語も映画の世界で頻繁に取り上げられるテーマの一つです。
映画館に足を運ぶ多くの人々が、迫力のある音響と多彩な特殊効果があるアクション映画を選ぶことが好きです。その中で、「レーシング映画」も多くの人に愛される映画のジャンルです。観ることで高速のスリルを共有できるだけでなく、熱血で励ましに満ちたストーリーも感動的です。
フェラーリ(2023)
「フェラーリ」は自動車メーカー「フェラーリ」の創設者でレーシングドライバーの、故エンツォ・フェラーリの伝記映画です。エンツォ・フェラーリは世に偉大な遺産、すなわちフェラーリのレーシングカーを残しました。だが、同時に家族と自動車業界に多くの傷を負わせる悲劇を引き起こしました。「ヒート」、「ラスト・オブ・モヒカン」のマイケル・マンがメガホンを取りました。
1957年夏、「フェラーリ」は財政難に陥っていました。前年に息子を亡くしてから、妻との関係は悪化します。そのため、エンツォ・フェラーリはどん底にいます。また、愛人リーナとの間に生まれた子どもを認めるために、もがいてもいました。そんななか、「フェラーリ」は有能なドライバーを集めて伝説的な自動車レース「ミッレミリア」に参加します。
「フェラーリ」は、単なる名前やブランドだけでなく、注目される赤いアイコンでもあります。また、本作はスピードの奇跡に伴うレーシングの脆弱性を深く掘り下げています。一瞬の気を抜くことがエンジニア、ドライバー、さらには自動車業界の大立者にとって致命的な結果をもたらす可能性があります。
フォードvsフェラーリ(2019)
「フォードvsフェラーリ」は、誰もが楽しめる映画です。マット・デイモンとクリスチャン・ベールが初共演でダブル主演を務めます。1966年のル・マン24時間耐久レースで絶対王者フェラーリに挑んだフォードの男たちを描いたドラマ。
フォード・モーター社からル・マン24時間耐久レースでの勝利という使命を受けたカー・エンジニアのシェルビーは、型破りな英国人レーサー、マイルズの才能に目をつけます。そして、限られた予算と時間の中で力を合わせたふたりは、常勝軍団フェラーリとの闘いに挑みます。
本作は車好きのオタクを対象にした特定のスポーツ映画ではありません。本作には深い兄弟愛があり、主人公の2人はお互いに信頼し、励まし合い、新しい時代を共に創り上げました。故に、「フォードGT40」はこの絆の産物となります。それによって、フォード自動車会社が60年代に常にル・マンで勝利を収めるフェラーリに打ち勝つ機会を得ました。
ラッシュ プライドと友情(2013)
F1の頂点を懸けた壮絶な戦いを臨場感たっぷりに描いたヒューマンドラマ。また、近年のカーレース映画の中で、多くの人が“傑作”と讃えます。1976年のF1世界選手権を舞台に、情熱的なジェームス・ハントと頭脳派のニキ・ラウダ、2人の天才ドライバーの戦いと絆を描いた感動の実話です。ハント役には「マイティ・ソー」のクリス・ヘムズワース、ラウダ役には「グッバイ、レーニン!」のダニエル・ブリュールが扮します。監督が「ビューティフル・マインド」、「ダ・ヴィンチ・コード」のロン・ハワードです。
1976年のF1チャンピオンシップで、フェラーリのドライバーとして快調なレースを続けていたラウダは、ドイツ・ニュルブルクリンクで開催された第11戦ドイツGPで大事故に見舞われます。奇跡的に6週間で復帰を果たしたラウダだったが、ライバルでもあるマクラーレンのハントにポイント差をつめられてしまいます。チャンピオンシップを競う2人の決選は、富士スピードウェイで行われる日本での最終戦に持ち越されます。
グランツーリスモ(2023)
日本発の人気ゲーム「グランツーリスモ」から生まれた実話を映画化したレーシングアクション。主人公はかつてビデオゲームの競技プログラムで優勝しました。それがきっかけで、本格的なレーシングに参加することになりました。
2011年、19歳の青年ヤン・マーデンボローは、ドライビングゲーム「グランツーリスモ」に熱中します。そして、同ゲームのトッププレイヤーたちを本物のプロレーサーとして育成するプログラム「GTアカデミー」の存在を知ります。そこには、プレイヤーの才能と可能性を信じてアカデミーを発足した男ダニーと、ゲーマーが活躍できるような甘い世界ではないと考えながらも指導を引き受けた元レーサーのジャック、そして世界中から集められたトッププレイヤーたちがいます。想像を絶するトレーニングや数々のアクシデントを乗り越え、ついにデビュー戦を迎えます。
本作はすべて実話を基にしています。また、時速300キロでサーキットを駆け抜ける様子が見どころの一つです。そして、まったくの初心者であったオタクが、過酷なトレーニングを経てプロのレーサーに変身する姿を見ることができます。ゆえに、これは観客の内なる情熱を刺激し、感動させる励みに満ちた物語です。