タイは過去二十年にわたり、大ヒットしたホラー映画を次々と生み出しています。また、さまざまな評判が高いホラー映画があり、ストーリーやテーマも進化しています。
ホラーの名作『心霊写真』から「Death Whisperer(TEE – YOD ธี่หยด)』まで、泰国のホラー映画を振り返りつつ、観るべきタイのホラー映画をご紹介します。
心霊写真
ホラー映画「心霊写真」は、タイ映画史上最も恐ろしいホラー映画と言われています。物語は写真家のカップルが家に帰る途中、女性をはねてしまい、そのまま逃走してしまうという出来事から始まります。事故の後、奇妙な出来事が次々に起こり、写真には奇妙な影や女性の顔が現れます。また、周りの友達も次々と死亡していくといった出来事が描かれています。そこで主人公はその背後に潜む真相を解明することを決意します。全編にわたり陰鬱で緊迫した雰囲気が漂い、巧妙に構築されたプロットが、鏡を直視できなくなるほどの印象を残します。
映画評論家によって「映画史上最も驚くべきタイのホラー映画」と賞賛されました。さらに、この映画は2008年にはハリウッドで「シャッター」としてリメイクされました。
Home for Rent(原題)
映画「Home for Rent」は、タイの水かけ祭りシーズンに公開され、数日で数億バーツの興行収入を記録しました。また、二週間連続ボックスオフィス首位を獲得しました。物語は、夫妻が一人の娘をもうけ、新しいアパートに引っ越します。かつ元住居を退職した医師とその娘に貸し出すという決断をしたことになります。家が貸し出されると、近所の住人からの苦情がきて、毎晩呪文のような声が聞こえるというもので、かつ夫も奇妙な行動を始めます。
「Home for Ren」は実話を元にした映画です。タイのホラー映画の巨匠Sophon Sakdaphisitが監督。彼は、「賃貸物件に関する奇妙な出来事が頻繁に報道されています。異常な血痕が見つかったり、入居者が儀式を行ったり、凶悪な殺人事件が発生したりすることがありました。これらの驚愕の事件を映画にアレンジすることで、観客に新しい観賞体験を提供します。真実でありながらも恐ろしいストリートとなるでしょう。」と語っています。
女神の継承
「女神の継承」はタイと韓国の共同制作のホラー映画です。「心霊写真」の監督と、「哭声 コクソン」の脚本家が手を組んで、視聴者にショッキングな恐怖をもたらします。この映画は擬似ドキュメンタリーの手法を用います。
タイの東北部に位置するイーサーン地域の小さな村を舞台に。知られざる「シャーマニズム教」の恐ろしい物語を明らかにします。そこでは、世襲的に巫女となるネィムが、ある日姪のミンが異変を起こしていることに気づきます。ドキュメンタリーの撮影クルーが彼女を追いかけ、段階的に不気味で邪悪な映像を記録していく様子が描かれます。
フェート/双生児
ホラー映画「フェート/双生児」は、結合双⽣児の姉妹の物語を描きます。
タイから韓国に移住したピムと彼女の夫ウィーが幸せな生活を送っています。彼女の誕生日の日に一本の国際電話が彼女の人生を変えます。母親が重病であることを知り、ピムとウィーは急いでタイに戻り、これが彼女の幼少時の思い出を呼び起こします。ピムは生まれつき連體姉妹がいました。だが、手術に失敗し別れ離れされ、姉のプロイは亡くなりました。これがピムの心の永遠のトラウマとなっています。彼女が故郷の土地に足を踏み入れると、奇妙で不可解な出来事が次々と起こります。久しく亡くなっているはずのプロイがピムのまわりに戻ってきたように思われます。そして、この過程で、姉妹の間に潜む深い秘密も徐々に表面に現れていきます。
この映画は2007年のオースティン・ファンタスティック映画祭で審査員特別賞と最優秀監督賞を受賞しました。また、2007年のショック映画祭では最優秀撮影賞、最優秀監督賞、最優秀編集賞を獲得しました。そして、2008年のタイ国家映画協会では最優秀女優賞と最優秀オリジナルソング賞を受賞しました。
プロミス 戦慄の約束
バンコクに実在する廃墟ビル“サトーン・タワー”で撮影が行われました。また、2017年に上映した同年タイ年間興行成績第4位のヒット作。「ラッダーランド/呪われたマイホーム」(2011)、『スイマーズ/溺れるトライアングル』(2014)などを手掛けるタイ・ホラー界の鬼才ソーポップ・サクダービシットが監督。
1997年、タイは経済破綻の危機に陥り、多くの失業者や自殺者がでました。中学生のボウムと親友のイブは、2人の父親が投資した高級マンションに一緒に引っ越すことを楽しみにしていました。だが、それも叶わなくなります。15歳の誕生日、絶望したボウムはイブと一緒に自殺する約束をします。しまし、イブだけが自殺し、ボウムは怖くなりその場から逃げ出してしまいます。
20年後、ボウムは不動産ビジネスで成功し、娘のベルと暮らしています。イブが自殺した建設途中のマンションを訪れた2人は、それ以来、ベルに死んだイブが乗り移ったかのような奇妙な現象が頻発します。ベルは医師から夢遊病と診断され、ボウムはそれがイブの呪いだと確信し、娘を救うために奔走します。
Death Whisperer (Tee Yod/ธี่หยด)
タイのカーンチャナブリー県の家族に起きた実際の霊的な経験に基づいた物語です。家族の生存者の子孫が有名なYOUTUBEチャンネル「The Ghost Radio」の取材を受け、世界中を震撼させ、動画は1500万回以上の視聴を集めました。その後、実話をもとに映画化されました。
1972年、遠く離れた村で、一人の少女が夜に「聞こえるよ」という奇妙な音を聞いた後、数日で不可解な死を遂げます。少女の悲劇的な死はすぐに小さな村に広まります。その情報を知った兄のYakは家族全員を守るために軍隊から帰郷することを決意します。ある日、妹のYamは学校から帰る途中、奇妙な容姿の黒い服の女性に出会い、従順な性格の彼女が突然変わります。なお、時折異常な暴力を振るったり、理由もなく狂気じみた叫び声を上げたりします。深夜には悪夢にうなされ、時折「聞こえるよ… 聞こえるよ…」と不気味な「聞こえるよ」を繰り返し唱えます。そして、不気味な「音」がこの家庭に広がっていきます。